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ハーブを育てる【庭植えを楽しもう】・・庭をデザインしよう

庭のどこに何を植えようか考えるのは楽しいもの。
デザインといっても難しいものではありません。
庭と植物の配置にデザインのちょっとした考え方を取り入れてみましょう。

庭植えのハーブ

庭をデザインしよう

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ラベンダーのバナー


デザインの考え方

デザインといっても、設計図のように寸分狂いないものを考えなくても大丈夫です。
植物は育ちながら思いもよらないような変化をしますので、ざっくりしているくらいで丁度良いです。

庭の場合は、ハーブを配置するのが一部分だったとしても、その部分だけでなく全体と見比べながら配置するのがコツです。

ここではハーブガーデン風の庭をデザインするときにチェックすると良いポイントをピックアップします。


【ハーブそのものに由来するデザイン】
 ・・花や葉の色、大きさ、形、樹形、高さなど

これらは植物そのものによるチェックポイントです。
植物は成長によって大きさや姿が変わってくるため、特に多年生の植物・低木系のハーブは余白を持たせて考えましょう。

また、開花時期や、葉の新芽、紅葉や落葉の時期など、四季によっても変化します。
花の時期だけ考えがちですが、時間経過を考えるとより周囲と調和させることができます。


【配置の仕方によるデザイン】
 ・・平面、高低差、下垂、絡ませるなど

これらは植物をどのような場所に植えるか、どのように成長させるかでのチェックポイントです。
例えば、町の花壇のように一面に植えられたパンジーなどは平面的になります。
ここへローズマリーやラベンダーといった低木系を加えると、植物の背の高さの変化による高低差がつきます。

背の高くなる樹木に対し、ラベンダーやローズマリーといった低木、あるいは茂み状の植物、 草のような背の低い植物、地面を這うようなグラウンドカバーの植物を配置することでも高さの変化がつきます。

植物そのものの高さの違い以外では、例えば植木鉢やボックスを使うことでも地面との間にその分の高低差が出ます。
もちろん、地面の水平を一段高くするのもありで、たとえば排水性を好む植物などは高畝にして植えるのも効果的です。

いわゆる匍匐性・つる性の植物は高い場所に鉢を配置すると、低いほうへと枝が流れ、ものによっては下垂します。
このようなタイプはフェンスやアーチなどに絡ませて使うこともでき、お庭のアレンジに大きな変化をつけることができます。


【庭そのもののデザイン】
 ・・花壇、外構、方式

たとえば、花壇にするか、庭木と一緒に地植えにするか、鉢を並べるかと考えるのもデザインになります。
外構は庭や家を建てた時にだいたい決まっているかと思いますが、それに合わせて植物の配置を考えていきます。

また、植物の植え方と連動して、ジャンルのようなものを考えるのも良いでしょう。
たとえば手前に低い植物、奥に背の高い植物を配置するボーダーガーデンは壁際や塀沿いに合いますし、 砂地や岩場を好む植物や、排水性の良い場所を作りたい場合はロックガーデン、 お庭に日当たりが確保できなかったり背の高い木々の陰になるような場合はシェードガーデンにするという方法もあります。


ハーブの配置を考える

庭にハーブを配置するときに考慮するポイントは、前で挙げたデザイン面のほかにも、植物の性質や、植える場所の土壌や環境も考慮します。


【場所を選ぶ】
 ・・日照、方角、土壌

日照は、日照時間のほか、光の強さ、光の当たる方角も考慮します。
ハーブには、強い日光を好むハーブ、柔らかい光を好むハーブ、半日陰を好むハーブがあるため、適した日照条件の場所に配置しましょう。
たとえ光を好むタイプでも最近の真夏の猛暑には要注意ということもありますので、光が強ければよいというものでもありません。

寒い地方では日当たりの確保が重要になります。
気温が低くても直射日光さえ確保できれば意外と冬は越せますので、寒冷地で冬越しを考えるならば日あたりは最優先で確保します。

一方で、日あたりは好むものの西日は苦手という植物もあります。
西日は光が強く、一気に焼けますが日照時間は少なく夜になると一気に冷えますので、 西日の当たる場所しか確保できない場合は頑丈な植物を選んで配置します。


【風当たり】
 ・・風上方向、遮蔽物、反射

風当たりは通風とも言えます。
夏場や梅雨時期は空気が良く通る場所が望ましいです。
一方、冬場は冷たい風が当たらないほうが良いため、風よけが必要になることもあります。
季節によって風上方向は変わりますので、それらも考慮して配置を決めましょう。

冬の風は建物や塀、生け垣やほかの庭木である程度緩和されます。
強い風の当たる側に寒さに強い植物、風下に守りたい植物を植えると良いでしょう。
また、建物や塀を背後に背負うと反射・輻射熱で他の場所よりは暖かくなりますので、寒さに弱い植物はこのような場所を選んで植えます。


【水はけ】
 ・・土の通気性、土壌の土質、高低差

大抵のハーブは地面の水はけ・通気性が良い場所を選びます。

水はけを良くするには、顆粒状の土壌資材や繊維質を混ぜる必要があります。

土壌改良が難しい場合は畝を作るなどして、少し高い場所に水はけを好むハーブを、 低い場所に湿り気を好むハーブを植え付けるようにします。
あるいは防草シートなどで地面を保護したうえで、その上部に軽石や砕石を敷いてロックガーデンにしてしまうという手もあります。

奥の手としては、湿気っている土でも大丈夫なハーブがあるのでそれらをうまく組み合わせます。
また、良く茂る植物はその分に比例して土中の水分を消費してくれますので、抵抗感がなければそれらを先に植えてしまいましょう。


【植物自体の見た目】
 ・・背の高さ、樹形、花や葉の色、花期

ハーブの背の高さ、樹形、花や葉の色、花期などを考慮して配置を考えます。
基本的に奥に背の高いもの、中間は中程度、手前は背の低いタイプを配置する(いわゆるボーダーガーデン)にすると観賞しやすいです。
通常は背が低くても、花期だけ花茎を高く伸ばすタイプもあるので背の高さは季節によって変わる場合もあります。

また、グラウンドカバーとして匍匐性を植える場合はよく考えたほうが良いです。
大抵の場合、予想を超えて広がっていくため、必要に応じて根止めを使用します。
地下茎がない場合は地上部をレンガなどで囲っても多少は防げます。


【庭植え/地植えでの注意点】

ほとんどのハーブは屋外の地植えが一番よく育ちますが、注意するポイントもあるので頭に入れておきましょう。


【繁茂する傾向】

横にはびこって繁茂するタイプには要注意と言えます。
地下茎や、根元の匍匐茎がどんどん広がっていく植物になります。
ミントが代表的ですが、クリーピングタイプの各種ハーブ(特にタイムやオレガノ)、 ランナータイプのワイルドストロベリーも管理が必要となります。

このようなタイプは根止めの板を土に差し込んで対処します。

ヤロウ(西洋ノコギリソウ/ミルフォイル)も注意が必要で、株元が横広がりになるだけでなく大量の種をばらまきますので、 花がシーズンを過ぎたら種が熟す前に花茎を切って取り除きましょう。
複数の色のヤロウを混色している場合は交雑する可能性も高いので盛りを過ぎた花は早めに処分しましょう。


【成長スピード】

複数の植物をほぼ同時期に植えた場合、成長の早い植物と植物で生育にかなり差が出ます。
成長がゆっくりのタイプが成長の早いタイプの陰に入ってしまうことがあるため、植え付ける配置には注意しましょう。


【生育後の大きさ】

成長スピードともやや関連しますが、成長後のサイズも想定しましょう。
低木系ハーブは1本でも巨大な茂み状になることも多いため、株周りのスペースは十分すぎるくらいに取っておきます。
育つ前は空間の空きが気になるようでしたらシーズンの短い一年草などを植えておいても良いでしょう。

特に鉢植えでは適正サイズでも、地植えにすると巨大化する品種があります。
他を圧倒して大きくなることもあるため、これらはこまめな剪定や切り戻しで管理しましょう。
特にローズマリーなどの低木系ハーブは2シーズン目あたりから一気に大きくなります。
生育が旺盛なため、多少切り過ぎても回復しますので思い切って切りましょう。

立性で大型タイプのローズマリー、一部のラバンディン系ラベンダー、チェリーセージなどは大型化しやすいので剪定で管理します。


【いきなり地植えにしない】

ハーブは頑丈なものが多いため、大抵の場合は苗をいきなり地植えに移行しても大丈夫です。
ただし、稀にいきなり地植えにすると根付かない場合もありますので、 そのようなことが想定できる場合は一度鉢植えにして様子を見、 ある程度育てた後に地植えにすると良いでしょう。


一般的には秋に購入した苗をいきなり屋外に植え付けて冬越しさせることは厳しいため、 最初の冬は鉢植えで管理したほうが良いです。
また、お祝いやギフト用に育てられた満開の花の鉢植えなど(フレンチラベンダーやペラルゴニウム)もいきなり地植えにすると難しいため、 別の一回り大きな鉢に水はけの良い土で植え替え、しばらく養生してから庭植えに移行すると枯れる可能性を低くできます。


あると便利なもの

庭のデザインを決める際、あるいはハーブの配置を決める際にあると便利なものをピックアップしてみます。


【色付きのピンや杭】 植え付ける区画を決めるときに便利です。 区分けの他、植物を植え付ける場所の目印にも良いです。 意外と庭では草木に同化して見えにくくなるため、目立つ色が良いです。

【縄や紐、円形支柱、支柱や棒】 植え付ける区画を決めるときに便利です。
区分けの他、植物を植え付ける場所の目印にも良いです。
特に円形支柱はその中に植え付ければそのまま使えますし、朝顔用の背のある円形支柱はつる性植物にも使えるので便利です。

【レンガ・素焼きの植木鉢】 これらはデザインのアクセントにもなります。
煉瓦は積むだけでなく、置石にしてもおしゃれ。
冬場は日光に当たると温まり、熱源にもなります。

【防草シート】 草よけだけでなく、雨の時の泥の跳ね返りも防げる優れものです。
草除けは庭の完成後だけでなく庭づくりの最中にも使うのがコツ。掘り起こした場所などにかぶせて保護しておきましょう。

【ネームプレート】 花壇で植物の名前を書いてあるのを目にすると思います。
見た目もおしゃれなプレートがあるので取り入れて見てはいかがでしょうか。
裏側に植え付け日や剪定日など、管理に必要なメモを防水シールに書いて張っておいても便利です。

【ソーラーライト】 ガーデン用ソーラーライトはおしゃれアイテムとしてだけではなく、目印として必要な場所もあります。
歩く場所との境や角、段差、駐車スペースとの境などには目印として設置したほうが良いでしょう。
なお、明るすぎると一部の植物は花芽の形成を妨げられる場合があるので注意がひつようです。

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