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ハーブを育てる【庭植えを楽しもう】・・庭植えに適した草本系ハーブ

庭植えに適した草本系ハーブ

ハーブ図鑑

庭植えに適した草本系ハーブ

草本系ハーブも庭に地植えできます。
木とはまた違った柔らかな草姿が魅力的です。

ラベンダーのバナー


【庭植えに適した草本系ハーブ】

草本系(いわゆる草のような姿)のハーブは、低木系ハーブと比べると花の形や色のバリエーションが豊富です。
室内の鉢植えで美しいハーブも、屋外で地植えにするとびっくりするほど花付きが良くなることもしばしば。
ハーブガーデン風の庭に彩りを加えたい場合は草本系からいくつかの種類を混ぜると華やかさが増します。


室内ではうまく育たない種類も屋外で育てたほうが良いでしょう。
通常は室内で育てられるサイズであっても、 花期だけ花穂などで背が高くなるようなハーブも外に地植えにしてしまったほうが邪魔になりません。


性質的に、株が横広がりになるようなハーブでは植木鉢だと生育に必要なスペースが足りません。 このようなハーブも庭に地植えがおすすめです。


【代表的な草本系ハーブ】

【カモミール】 小さなマーガレットのような花に細かな切れ込みの入った美しい葉が特徴のハーブです。
ハーブティーに人気の青リンゴのような香りのハーブで、やさしい草姿が印象的。
多年生のローマン、一年草のジャーマンの他、ダブルフラワー、ノンフラワーなど意外と種類も豊富。


【アニスヒソップ】 少し青みのある爽やかな香りのハーブです。
ミントよりはほんのりした香りで、ハーブティーなどに好まれます。
一般的には薄紫の花で、枝分かれする花穂を立ち上げて咲きます。
頑丈な多年草で、こぼれ種でも増えていきます。


【アルケミラ】 レディスマントルとも呼ばれるハーブで、モリス、ヴルガリス、アルパインなどの品種が流通しています。
葉に細かな毛が生えており、雨や露を美しく弾きます。
日差しは好みますが半日陰でも良く、酸性土壌でも大丈夫なハーブです。
耐寒性は強いですが暑さに弱いので注意しましょう。


【エキナセア】 ハーブティーで有名になりましたが、菊のような花の美しいハーブです。
最近は観賞用に個性的でカラフルな品種が増えてきました。
根が太く肥大しますので、こちらも地植えが向いています。


【オレガノ】 料理用のオレガノ・マジョラムの他、グランドカバーの匍匐性や、観賞用など品種が豊富です。
花はピンクか白が主流で、額や苞が印象的な観賞用もあります。
ハーブガーデン風の庭には料理用の品種や、カラーリーフのヘレンハウゼン、ゴールド系が人気です。


【クローブピンク】 ディアンサス(ナデシコ)の一種で、カーネーションの原種に当たります。
香りがよく、明るく温かみのあるピンクの花を咲かせます。
茎が柔らかく、地面に横たわるように伸びていきます。
この類は砂地を好み、ロックガーデンにも利用できます。


【サラダバーネット】 きゅうりのような変わった香りで知られるハーブです。
料理用とされますがタンニンのためか渋みが強く食用には向きません。
地植えにするとびっくりするくらい大きな株になります。
変わった形の美しい葉がロゼット状に茂ります。
多年草ですが1株の寿命は短く、こぼれ種でどんどん更新されて増えていきます。
耐寒性はトップクラスですので心配いりません。


【スイートバイオレット(ニオイスミレ)】 1色タイプで香りのするスミレです。
多年生で意外と大型化し、見栄えがします。
なおビオラ(三色スミレ)の原種はハーツイーズといい、一年草になります。
スミレ類にだけ付く害虫がいますが、それ以外には比較的強く丈夫です。


【セルフヒール】 セイヨウウツボグサとも呼ばれる、匍匐性の小さなハーブです。
グラウンドカバーにはいろいろな匍匐性のハーブが使われますが、 クリーピングタイムなどは成魚が効かないほど広がることがあるため、 それらと比べれば制御はしやすいほうです。


【セントジョーンズワート】 エキナセアと共に薬効が強く有名なハーブです。
西洋オトギリソウのことで、匍匐性というほどではありませんが地表を横広がりになります。
ハーブでは珍しく、鮮やかではっきりとした黄色の花を咲かせます。


【フェンネル】 料理用ハーブとして知られます。
意外と背が高くなり、大型の株になります。
根がゴボウ根になるため、地植えのほうが向いています。


【プリムローズ】 プリムラ・ヴルガリスといい、西洋サクラソウの原種です。
明るく淡いクリームイエローの花を咲かせます。
日本でいえばタンポポやスミレのように、西洋では春の野の花の代表とされます。


【(ペレニアル)フラックス】 青く美しい花と涼しそうな草姿でひそかに人気が高まっているハーブです。
フラックスとは亜麻のことで、ペレニアルとは宿根草のという意味になります。
そこそこ背が伸びますので地植えが良いでしょう。
一年草タイプはこぼれ種で増えます。


【マロウ】 いわゆるタチアオイで、コモンマロウ(ブルーマロウ)、ムスクマロウ、マーシュマロウなどが人気です。
意外と背が高くなり、大型の株になります。
株張りも広く、根がゴボウ根になるため、地植えのほうが向いています。
ムスクマロウは花が満開になって見事です。


【レモングラス】 爽やかでやや甘みのあるレモン系の香りが人気のハーブです。
ススキのような茂り方をするため、地植えのほうが向いています。
耐寒性は低いとされますが、関東も平野部であれば陽射しさえ確保できれば屋外の地植えで冬越し可能です。


【ワイルドストロベリー】 イチゴの原種でハーブとして扱われ、小さくかわいい実を実らせます。
鉢植えや栽培キットでおなじみですが、地植えにすると生育がとても旺盛になります。
実を収穫してジャムを作りたい場合などは地植えにしましょう。
ランナーなしの品種を選ぶと管理が楽です。
耐寒性はトップクラスのため、冬に屋外で凍り付いても大丈夫です。


【地植えに注意が必要なハーブ】

ハーブのうち、横広がりになるものは植木鉢だと狭すぎるため、地植えに適しています。
ただし、あまりにも横広がりになったり、這って増えていくスピードが速いものは管理に注意が必要となります。
もちろん対策はありますので、庭に植えたい場合は対処方法をチェックしておきましょう。


有名なものとして筆頭に挙げられるのがミント類です。
ミントは根元付近に地上を這いながら広がる匍匐茎、さらに地下茎もどんどん横広がりに伸びていきます。
根止めをするか、直接地植えにしないで植木鉢やプランターごと埋めるなどの対策が必要となります。
いつもおいしいハーブティーを飲みたい場合は、一年ごとに株を掘り上げて新しく伸びた部分を植えるのが一番良いです。


ミントの次にレモンバームが挙げられることもあります。
こちらも良く茂り、更にこぼれ種でも増えていきます。
ミントよりは大人しいため、根元の横への浸食とこぼれ種に気をつければまだ何とかなります。
近縁種のオレンジバームはこぼれ種での発芽率が高くなりますので、花が咲いたら刈り取りましょう。


かなり手ごわいのがヤロウ(西洋ノコギリソウ・ミルフォイル)です。
切り花で販売されるほど花は美しいですが、種をぎっしり落とし、翌年にこぼれ種から増えた芽が一斉に噴き出してきます。
また株元付近にも匍匐茎が広がり、どんどん勢力を伸ばします。
ミントと比べて地上部の茂り方も激しいため、花壇では範囲を絞りましょう。
根止めで横への浸食を抑えつつ、こぼれ種対策としては咲いた花はどんどん刈り取ることで予防します。


ソレルも手ごわい敵となります。
ガーデンソレル、フレンチソレル、バックラーリーフソレル、赤筋ソレルなどがハーブとして販売されています。
これらはいわゆるスイバ・スカンポの仲間で、複数のゴボウ根が塊のようになり、ちょっと掘ったくらいではまず抜けません。
しかもこぼれ種を飛ばして増えていきます。
よく考えて植えましょう。


種類を選ばないと後悔するのがワイルドストロベリーです。
人気のハーブですが、ランナーで増える品種とランナーの出ない品種があります。
ランナーの出る品種はストロベリーポットなどの鉢に植えると見ごたえがありますが、 うっかり地面に到達させてしまうとそこから周囲に広がり、放置すると辺りを覆いつくします。
増やしたくない場合はランナーは随時切り取り、増やしたい場合は株分けを行うと良いです。
ランナーの出ない品種としてはアレキサンドリアが有名で、これならば育てやすく心配もありません。


ガッチリ根付いてしまって困るのがチコリです。
根を収穫して利用する場合には良いですが、観賞用に植えると頑丈なゴボウ根のせいで抜くのに苦労します。
花茎は意外と背が高く2m近くになり、枝分かれもしてスペースを取ります。
しかもこぼれ種で増えてきます。
放置するとタンポポのような目に合います。
対策としては毎シーズンごとに掘り上げてゴボウ根を小さく切り、そのうちの1つを植え付けたほうが良いでしょう。


別の意味で困るのがキャットミントです。
花が美しく観賞用に人気なのハーブです。
キャットニップと違って猫に荒らされないと言われますが大間違いで、あっという間にボロボロにされます。
植木鉢だと鉢が転がされるので地植え推奨ですが、猫が来ることに変わりはなく、すぐ隣の植物まで踏まれることがあります。
花は見事ですので、軽い鉢に植え付け、猫の届かない高さへ吊り鉢仕立てにすると良いでしょう。

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