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ハーブを育てる【庭植えを楽しもう】・・冬を乗り切ろう

秋まきの植物や、多年生・低木系のハーブは冬越しが必要になります。
寒い冬を乗り越えるためのポイントを確認して秋までに準備しましょう。
こちらでは一般的な冬越しの流れを挙げています。

ハーブ図鑑

冬を乗り切ろう

寒い冬を屋外で過ごすには、秋までの準備とハーブそのものの耐寒性が重要となります。

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【冬越しの流れ】

冬越しの大まかな流れのチェックポイントを挙げてみました。
冬とひとくくりにせず、時期ごとに分けて考えると良いでしょう。


【秋までの準備】 ・元気に育てて体力をつけておく
・余分な枝や枯れ枝は整理しておく
・屋外で冬越しする場合は遅くても初秋までに植え替えておく
・晩秋の急な気温低下に備える


【初冬】 ・何より日当たりを確保する
・雪よりは霜が怖い
・木枯らしが苦手
・心配な植物には霜よけを施しておく
 (不織布やマルチングなど)
・もしくは植木鉢なら軒下や玄関などに退避させる


【真冬】 ・年末から年始頃
・室内は乾燥に注意。油断するとアブラムシやアザミウマが沸くため。
・屋外でも地植えは無問題のことが多い。
・植木鉢はまだ水やりをして大丈夫。
 →暖かい室内だと普通に成長している。
 →屋外でも完全に成長が止まっているわけではないのでたまには水やりが必要になる。


【寒(小寒~大寒~節分まで)】 ・いわゆる厳冬期で一番寒い。
・屋外は霜に注意。
・雪は意外と乗り切れる。
・地植えは心配ならばシートを足す。
・鉢植えは鉢を覆ったり、必要に応じて室内退避する。
・空気が乾燥していて意外と水切れしやすいので注意。
 →昼間に水を与える。


【寒明け(立春~)】 ・最低気温は緩んでくる。
・関東でも海沿いはいきなり大雪になることがある。降雪よりは落雪に注意。


【春(3月以降~)】 ・ベタベタの雪が降ることがあるがすぐ溶ける。降雪よりは落雪に注意。
・暖かくなってからの霜は要注意。連日暖かいと耐寒性が緩んでいる場合があるため。
・20度以上の暖かい日が突然来るので暑さに弱いタイプは注意。
・屋外で冬を無事に越せた植物はほぼ安心して良い(新芽などは遅霜で焼ける場合あり)。
・寒冷地以外では防寒対策を緩めても良い。
・春苗が出回り始めるが、遅霜があるため、耐寒性のない花を地植えするにはまだ早い。
・新しい苗を植える場合は霜よけを必ずすること


【秋が肝心!】

冬越しというと冬にする作業を思い浮かべると思いますが、実際には秋の管理と準備が重要になります。
ここでは無事に冬を越すための秋の管理についてポイントを解説します。


【頑丈に育てておく】 なんといっても苗の体力がすべてを左右します。
気温が低下する前まで元気に育てて体力をつけておきましょう。
ただし、あまりにも手をかけて水分や肥料分をたっぷり与えると、勢いだけは良くても体力はつきません。
冬という過酷な環境に順応させるには、どちらかといえば厳しめに育てたほうが良いです。

まずはしっかり根を張らせましょう。
特に寒さから退避できない地植えでは重要になります。
秋も後半になると根の成長が鈍りますので、初秋に植え替えを終え、秋の再成長に期待します。
枝葉も伸ばして養分を蓄えさせましょう。


【余分な枝や枯れ枝は整理する】 暖かい季節に十分に育つと、枝が伸びすぎ、葉が茂り過ぎる場合があります。
余計に伸びた枝は切り、体力を温存させます。
株の姿が乱れている場合も剪定して株を整えておきます。
秋の早いうちであれば剪定で元気な脇芽が出てくることもあります。


【植え替える】 前述の内容とややかぶりますが、屋外で冬越しする場合は遅くても初秋までに植え替えておきます。
特に鉢植えや購入したばかりの苗は注意で、秋苗は植え替えが遅れると根の張り具合が間に合わないこともあります。
秋苗は購入直前まで暖かいビニルハウスなどで管理されてきているため、耐寒性がほぼないので注意が必要となります。

鉢に植え替える場合、保温力のある素焼き鉢がベストです。
寒冷地の場合は極端な環境で割れる可能性があるため、頑丈な駄音鉢・朱音鉢が良いです。
素焼き鉢が用意できない場合は鉢カバーなどで保温に努めましょう。


【晩秋の急な気温低下に備える】 耐寒性がある植物でも、その年の最初の寒風や初霜でやられる場合が多いです。
特に秋に購入したばかりの苗は注意で、冬を経験している苗でも新芽や若葉付近は霜で焼ける場合があります。

その年の最初の寒風や初霜の来る目安は、最低気温が下がり、5度前後の予報になるころです。
天気予報で気温が下がったら警戒しましょう。
鉢植えは風と霜の避けられる軒下などへ退避しますが、極端に暖かい場所は避けましょう。
ただし寒さの苦手なハーブ(バジルなど)は限界温度ですので室内へ移動します。
地植えの場合は、白の寒冷紗や、薄い不織布などのシートを使って防霜します。

この最初の寒風と初霜を生き延びれば、あとは突発的な寒気に気をつけていれば何とかなります。
徐々に気温が下がる分には植物は順応していきますので、突然の気温低下にだけ注意します。


【耐寒性を高めるには?】

耐寒性を高めるには、徐々に寒さに慣らしていくことが必要です。
多年生のハーブは翌年以降の耐寒性を獲得するためにも室内へ入れないほうが良いでしょう。
無事に冬を越せれば翌年の冬には耐寒性が高まっています。


大前提として、晩秋に来る最初の寒風と霜を生き延びることが必要になります。
これを乗り切れば、後は自然任せで徐々に寒さに慣らしていくだけです。


最初の寒風と霜を生き延びたら、他に注意するのは突発的な寒気・急激な気温低下の予報です。
そのような予報が出たら、薄手の寒冷紗や不織布などのシート類で防寒・防霜しましょう。
本格的な寒冷地でなければ、薄手のシート一枚を設置したら一冬そのままで大丈夫です。
耐寒性を獲得するには、あまり暖かくしないほうが良いです。


ローズマリー・タイム・ラベンダーといったハーブは、 基本的には関東平野くらいの気候であれば、-5度程度の気温や雪が20センチ積もるくらいまでは放置で大丈夫です。
ただし強い霜だけは苦手としますので、寒さ慣れしていないうちはシート類で防霜します。
寒さ慣れして一冬越せれば、翌年は同じくらいの気候であれば防寒対策が必要なくなる程度まで慣れてくれます。


なお、寒冷地の場合にはもう少し細かく防寒対策をする必要があります。
必要な場合は外部サイトに冬越しについての詳細ページがありますのでご参照ください。
《 関連記事 》 外部サイト > 寒冷地の育て方


【耐寒性の高いハーブあれこれ】

基本的に多年生の植物、低木系ハーブなどは冬を乗り越える必要があるため耐寒性は高いものが多いです。
なお、ここでは地植えを前提にして紹介します。


【ラベンダー】 ラベンダーのうち、最も耐寒性があるのがイングリッシュ系、次がラバンディン系になります。
ラバンディン系は暑さにも強く頑丈です。
寒冷地ならイングリッシュラベンダーから、暖地ならばラバンディン系から選びましょう。
なお、イングリッシュラベンダーは小型のものが多く、ラバンディン系は大型のものが多くなります。
雪にも霜にも耐えますが、落雪に当たると枝が折れやすいので、雪の落ちてこない場所を選びましょう。


【ローズマリー】 ローズマリーも耐寒性があり、頑丈です。
アープが有名ですが、寒さに慣らせて育てればマリンブルーやミスジェサップで十分です。
品種によって差があり、ブルーラグーンなど耐寒性の弱い品種も存在しますが、 昔からのオーソドックスな品種(シシングハースト、ベネンデンブルーなど)であれば大抵は耐寒性はあります。


【タイム】 タイムも耐寒性は強いです。
立性であれば通常のコモンタイムが最も頑丈です。
匍匐性であれば、クリーピングタイムとして流通しているロンギカウリスが特に頑丈で、 数年経過した大株であればかなり強い霜に当たっても平気です。


【ワイルドストロベリー】 草本系ならばワイルドストロベリーが寒さに強いです。
多少湿り気のある土でも大丈夫なため、雪がちらついたり霜が降りたりする地方では重宝します。
土が凍みる・土ごと根が凍るような場所でも大丈夫で、地上部は枯れて無くなりますが春になると平然と芽吹いてきます。


【サラダバーネット】 常緑のまま厳冬期を越すことができるハーブです。
落雪の下敷きで雪に閉じ込められたまま数日過ごしても枯れません。
多年草ですが株の寿命は短く、こぼれ種で出た苗を植え替えて更新すると良いでしょう。


【ヤロウ】 寒冷地ではやや寂しくなりますが、通常は常緑のまま厳冬期を越すことができるハーブです。
夏場は旺盛に茂りますので、株の整理と更新を兼ねて株分け・再植え付けをすると良いでしょう。


【マーシュマロウ】 寒冷地の庭に放置でも生き延びるハーブです。
かなり湿り気のある土でも大丈夫なため、根雪で常時水分が補充されてしまうような地方でも育ちます。
地上部は枯れますが新春に山菜のような新芽を出し、茎ごと食べることができます。


【コケモモ・クランベリー】 赤い実のなる低木(果樹)で、日本では主に観賞用として育てられています。
かなり湿り気のある土、さらには酸性の土でも大丈夫というありがたい植物です。
雪どころか、春まで氷漬けにしても生き延びます。

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